イタリア・トスカーナ地方サンタクローチェ地区のタンナー、イタルペル社製の「トゥクソン・ワックス」。繊維密度が高く丈夫なダブルショルダー(成牛の肩部)を用い、伝統的なバケッタ製法で作られたフルベジタブルタンニン鞣し牛革の表皮に、時間をかけてパラフィンワックスを垂らしながら仕上げています。バームクーヘンの作り方のように、ロールにして回しながら上からワックスを滴下していく技法で、回転させる加減により常温時に白くなるワックスが白い濃淡が生まれて、個性的な表情を創出。使用前の淡白い風合いと、使い込んで革色の浮き出てきた風合いが、劇的に変化する個性的な素材で、ワックスが革の内部に溶け込んで、革だけでは表現できない独特なツヤが魅力です。また、ダブルショルダーは首に近い部位でもあるので、“トラ目”と呼ばれる原皮のシワも味として残ることがあり、アイテムとして新たな楽しみ方も見つけられます。