イギリス・ブリストルで1840年に創業した、歴史ある老舗タンナー・トーマスウェア&サンズ社の「ブライドル」。広大な工場内には、400以上のピット層を誇り、伝統の製法を守りながら手間や時間を惜しまずに仕上げられた植物タンニン鞣しレザーは、世界中でさまざまな用途に使われています。馬具用の革を意味する「ブライドル」は、ピット槽で植物タンニン鞣しされた線維が緻密で、厚くて丈夫な革になり、さらに最終工程で蜜蝋・タ蝋・植物性油などのワックスを塗り込むことで強度・耐久性・撥水性も兼ね備えた、非常にハリ・コシのある素材へと仕上げられます。また、職人の手作業で1枚ずつ表と裏にワックスを塗り込み、10週間以上かけて蝋分を革に染み込ませているなど、とても手間をかけることにより、染み込んだ蝋分がさらなる堅牢さをもたらすとともに、表面の蝋分がコーティングの役割も果たして撥水効果も両立。 革の表面にある白い粉“ブルーム”は、革に塗り込まれた蜜蝋・タ蝋・植物性油などの蝋分が表面で固まった「ブライドル」の象徴として知られ、使い込むほどに摩擦でブルームがなくなっていき、革の油分・蝋分によってツヤ感が生まれていきます。