手のひらに収まるコンパクトなサイズ感ながら、ナイロン・布・紙などを一切使用せず革素材のみの贅沢な仕様になっているため、使い始めは厚みを感じつつも使い込むほどに柔らかさが生まれて薄くなっていき、スリムな使い心地を実感。内装のシンメトリー設計によるカードポケット（左右3つずつ・計6つ）は、角を落とした特長的なデザイン性と、斜めから軽く出し入れできて、効果的なステッチで抜け落ちづらい機能性を併せ持っています。また、片側を縫わずに大きく開く札入れは、紙幣の出し入れしやすさも追求。二つ折りを閉じることで、しっかり紙幣がホールドされて抜け落ちる心配もありません。

『LUTÈCE』では、素材の魅力を存分に味わえる選び方にこだわる、レザーアーティスト・髙橋秀行が、アイテムやパーツごとに1枚革から最適な部分のみを見定めたうえで、絶妙な厚み調整を施しながら貴重な部位のみを使用。総手縫いでは、ほつれにくくて丈夫な「八の字縫い」を採用するなど、断裁・縫製・仕上げに至る全工程に技術・配慮を注力させながら、すべて手作業で製作しています。コバ（切り目本磨き）では、断裁面の繊維を柿渋で染め固め、紙やすりで整えながらヘリ落としでバリを落とし、丸みを持たせて磨いたうえで、何度も仕上げ剤を塗り込む工程を繰り返すなどの美学が凝縮。細部にまで貫かれている美意識の高さと、ひとつひとつの作品に想いを込めた妥協なき仕立ての丁寧さが、比類なきクラフト感あふれるクオリティへと導いています。