通常のスニーカー木型とは異なり、革靴の理論に基づいた曲線を惜しみなく使用。より立体的な木型を作ることで、足にも馴染みやすい設計を実現しています。曲線美と機能性を兼ね備えた木型は、靴職人の手業ならではの流線形です。

靴職人の高度な技をパターンメイキングにも生かし、洋服の立体断裁にも使われる手法「いせ込み」を採用。長さの違うパターンや、微妙にカーブの異なるパターンをあえて作ることで、より立体的で木型に吸い付くような精密なラインを再現しています。

革をいせ込みながら縫う技術は、パターンを熟知した職人にしかできない熟練技。断裁したパーツごとに漉き方と厚みを精緻に調整しながら縫い合わせることで立体的なアッパーになり、極細の針と糸で精細なステッチをかけていきます。

「ワニ」と呼ばれる昔ながらの道具を使い、職人の手で一足ずつつり込んでいく最も重要な工程のひとつ。長年培ってきた靴職人の勘を頼りに、革の伸び率や状態を確認しながら、アッパーを木型につり込んでいきます。いまではほとんど見られなくなった、表革と裏革をつり込む手法を用い、一足一足丁寧に仕上げています。

リペアを繰り返しながらずっと大切に履き続けていただくために、ソールとアッパーの接着面を最小限に抑え、サイドを特殊なミシンで縫製することで、ソールの交換が可能。また、シャンクに竹、中物にコルクを使うなど、あらゆる部材にリペアを見据えた材料を使用。さらに、パッケージにもリユースできる天然素材を使うことで、長年使い続けていただきたい想いが込められています。