各パーツのコバは、日本に古くからある「切り目本磨き」と呼ばれる伝統技法を採用し、あえて手間暇の掛かる製法を用いるこだわりへの美学。革の断面をコーティングするのではなく、断面そのものを磨き上げる技法で、染料と海藻の布海苔を革の組織に浸透させて研磨することを繰り返し、蜜蝋を溶かし込んで仕上げていきます。自作の磨き工具を駆使するとともに、特殊な工具で焼き締めることで、落ち着きある光沢と気品あふれる仕立てへと昇華。ディープな革愛好家にも支持されている技法で、ヒビ割れ・剥離も起きにくいなど耐久性にも優れているのも魅力です。また、総手縫いによる縫製を採用することで、長く使用して擦れなどで糸切れを起こしても糸が緩みづらく、革を傷めずに再縫製できるのも特長。さらに、全パーツ総裏革張り仕様の革を、両サイドから最適な力加減で締め上げられるので、革本来の質感や美しさへと導くことができます。